裁定取引(アービトラージ)について

今日は、知っているようで理解しきれていない「裁定取引アービトラージ)」について、しっかりと学んでいきたいと思います。

アービトラージの考え方自体はシンプルで、いわゆる価格差をもとにした鞘取りのことです。

例えば、メルカリの●●という本を500円で購入して、600円で売る。その差額100円を利益として得る、といったものです。

このアービトラージを株の世界でどのように使うのか、というのが今回の論点です。

 

株取引におけるアービトラージを学ぶ前に2つの事柄を知る必要があります。それは①先物取引と②SQです。

 

先物取引

予め決められた日にちに決められた価格で商品を売買する取引。

 

②SQ(特別清算指数)

先物取引における決められた日にち(満期日)の先物価格のこと。満期日は3・6・9・12月の第2金曜日と決まっており、このタイミングで先物価格と現物価格が一致する。

 

例)日経平均先物を22000円、1枚(1000)=22,000,000円購入

  SQ値が23000円だった場合、23000円(SQ)-22000円(購入価格)=

1000円⇒1000円×1枚(1000)=1,000,000円の利益 ※実際に2200万を受け渡しせず、差額分のみ受け渡しする(差額決済)

 

この基礎知識をベースにアービトラージについて学びます。アービトラージのパターンは2つ。裁定買いと裁定売りです。双方のパターンを検証していきます。

 

(A)裁定買い

この場合、先物価格>現物価格のケースです。割高な先物を売って、割安な現物を買います。これを裁定買いといいます。

(1)SQ値が現物・先物売り買いよりも下がった場合

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(2)SQ値が現物・先物売り買いよりも上がった場合

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(B)裁定売り

この場合、先物価格<現物価格のケースです。割高な現物を売って、割安な先物を買います。これを裁定売りといいます。

 

(1)SQ値が現物・先物売り買いよりも下がった場合

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(2)SQ値が現物・先物売り買いよりも上がった場合

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こちらも同様に500円のプラスになっています。

 

検証の結果、裁定買い・売りともに、現物と先物に差額さえあればどのようなケースでも利益が出ることがわかりました。これをアービトラージというんですね。納得です。

 

具体的に裁定取引をしたことがないので肌感はないのですが、とりあえず知識としては蓄えていた方が良いと思いますので、ぜひ参考にしてください^^